街の歴史と平和への祈りを語り継ぐ場所「THE AXIS OF PEACE」



これまで展示会 / イベントを主領域にしていた博展は、2013年から商環境分野に参画。

2021年4月から「文化開発事業ユニット」と名称を改め、店舗空間やショールームなど様々な常設空間を手掛けています。





2021年4月に横須賀市は、中央公園(横須賀市深田台)及び公園内のモニュメントをリニューアル。博展はパノラマティクスと協業し、新しいモニュメントのデザイン設計 / 施工をセットで担当しました。


場所の歴史と平和への祈りを継承し、“参加型”の企画 / デザインを提案し、横須賀の風景に溶けこむモニュメント「THE AXIS OF PEACE」を創り上げました。

「平和は揺るいではならない。どんな時も、どんな事が起きても、 横須賀はそれを忘れない」という祈りを込めて建てられた「THE AXIS OF PEACE」。


今回は担当したデザイナー(D)の高橋、プロダクトマネージャー(PM)の渡邉、プロデューサー(P)の河野がモニュメント建設に込められた想いや制作秘話を語ります。







ー「THE AXIS OF PEACE」の簡単な概要を教えてください。


河野(P)

もともと中央公園には核兵器廃絶に対する想いや平和への祈りを象徴した「ヘイワ オーキク ナーレ」というモニュメントが建っており、その老朽化に伴い27年ぶりにリニューアルすることが決定。今回新たに「THE AXIS OF PEACE」を建設しました。


「THE AXIS OF PEACE」は、モニュメントの屋根や中央の柱に、古くから「平和・永遠」を象徴するとされる“円”を数多く散りばめており、昼は日光を、夜はライトアップの光を美しく演出しています。


高橋(D)

「THE AXIS OF PEACE」では夜になると中心のモニュメントから平和を象徴する光が夜空に放射されます。円形に切り抜かれた鉄板越しに光が漏れ美しく幻想的な空間を演出。横須賀という土地が長年持つ平和への祈りを象徴したモニュメントになっています。





ー「THE AXIS OF PEACE」は、博展では珍しい“モニュメント”の案件ですよね。今回の案件が発生したきっかけを教えてください。


河野(P)

もともと関係のあったパノラマティクスの齋藤さんからお声がけをいただいたのがきっかけです。「単にモニュメントを建設するのではなく、“光”をつかった象徴的なものを創りたい」というアイデアをいただき、博展メンバーで横須賀という土地に根付いた作品となるようデザイン設計 / 施工を行いました。

“平和”に対する想いは残しつつ、新しい形でのアプローチを模索しましたね。




ーパノラマティクス様との協業プロジェクトだったのですね!どのような棲み分けでプロジェクトを進行したのですか?


河野(P)

今回、企画 / 監修はパノラマティクス様にご協力いただきました。

「THE AXIS OF PEACE」というコンセプトや光を上空に放射するといったプランはパノラマティクス様からいただき、博展は横須賀という土地に根付いたデザインのストーリー作成やクオリティの担保に尽力しましたね。



<左から高橋(D) / 渡邉(PM) / 河野(P)>




ー“光”をうまく使った企画というのがパノラマティクス様らしいアイデアですよね!

先ほどあった“土地に根付いたデザイン”を考えるためにどのようなプロセスでアイデアを決めていったのですか?


高橋(D)

今回の案件を通じて土地の記憶に触れるデザインを創りたいと考えていました。

デザインを考えるにあたり、最初にフィールドワークをおこないましたね。歴史や土地について学ぶために横須賀の様々な場所に赴く中で、公園のある場所がかつて砲台の一部であったという事実が明らかになり、デザインはそこからインスピレーション得ています。


<フィールドワークの様子>




ー土地の記憶に触れるデザイン…素敵ですね。中央公園が砲台の一部だったなんて知らなかったです。


高橋(D)

僕も初めて知りましたよ。

デザインを考えていく中で砲台についてもう少し詳しく学んでみたいという気持ちが大きくなりました。そこで、史跡管理の方に案内いただいて米ヶ浜砲台跡を取材。デザインにも反映させています。例えば、モニュメント全体の直径と砲台跡の土台の直径は同じサイズになっているんです。


また、取材中に横須賀の歴史的な建築に使用されるレンガには桜のマークが掘られていることを発見。現場から出土したレンガから3Dスキャナーと3Dプリンターを使ってモニュメントのレンガにも桜を再現しました。

とにかくこの場所の歴史に紐付けるデザインであることを意識し、アップデートしていきました。


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